「上谷君、笑いすぎ」
「笑えって言ったのは、そっちじゃない?」
確かに……
何か、上谷君にはよく納得させられるな。
「……じゃあ、あたしもう行くね。」
「うん。また、いつか会えたら」
「うん…本当にありがとう。感謝してる」
上谷君のお陰で、あたし、なんか心が晴れた。
あたしは家に向かって、歩き出した―。
―――ガチャ
「ただいま…」
「あら、今帰ってきたの?」
久しぶりに聞く声。
「…お母さん。」
「麗美、学校は?行ってないの?」
今、あたし私服なんだから行ってないことわかるでしょ。
「うん。体調悪いの」
「大丈夫?」
そっとあたしの額を触ろうとする。
あたしはそれを振り払うかのように、自分の部屋にいった。
「麗美ー……?」
こんな時だけ、母親面しないで。
いつもいつも、あたしは1人だったのに。
〜♪〜♪〜♪〜
明るい着信音。
あたしのケータイではないことは確かだ。
「はぁーい!……うん。うん、わかった。じゃあね」
さっきよりも少し女っぽい声を出すお母さん。
「ちょっとお母さん出かけてくるね。体調悪いなら、おかゆ作ろうか?」
「大丈夫だって。いってらっしゃい」
しばらくして、悲しそうな小さい声で、
「そっか…じゃあ、行ってくるね」
パタン、とドアがしまる音がする。

