恋愛季節




「…落ち着いた?」

「うん…」


あれからあたしは、涙が止まらなくなって、初めて“号泣”した。

さすがに道の真ん中で泣いてたら恥ずかしいから、と、上谷君は近くの公園に行こうと言った。

だから、今はベンチに座っている。


「……にしても、あの、タカハシ君?は、君にとって大事な存在なんだね」

「え……?」

「君は、タカハシ君が関わるとコロコロと表情が変わるだろ?」


確かに……

あたしは、高橋が関わってると、泣いたり、ムキになったりする。


「上谷君、ありがとう。」

「ううん。あ、ごめん、彼氏なんて言って。」


悪いと思ってたんだ。


「大丈夫。ここは、上谷君の地元?」

「……まぁね。ここら辺の連中で、俺のこと知らない人はいないよ」

「え………?」


思わず上谷君の顔を見ると、寂しそうな目をしていた。


「俺は、昔ケンカばっかしててさ、いろんな奴を傷つけたんだ。だから、みんな俺を恐れてる。」


……だからなんだ。
感情をあんま持たないっていうか、心ここにあらずって感じ。


「…笑った方が、いいのに。」


ポツリ、と呟く。


「え?」

「…上谷君は、笑った方がいいよ。あたし、好きだよ」


上谷君は、一瞬ポカンとした後、またくしゃっと笑った。


「それ、君にそのまんま返すよ。無表情で言うことじゃないって」


そんなに面白かったかな?

笑いをやめない上谷君。