「………高橋?」
そこには、息を切らしてこっちに近づいてくる高橋がいた。
「…やだっ。」
あたしは咄嗟に、上谷君の後ろに隠れた。
「麗美?何で隠れるんだよ。」
「…もう、高橋とは関わりたくないの。」
「はぁ!?ちょ、こっち向けよ」
高橋はあたしの方に近づいてきた。
やだ!やだ!
高橋に、今のあたしを見られたくない。
ギュ、と上谷君のコートを強く握る。
「やめろよ。嫌がってるだろ」
「は?お前誰だよ」
「…麗美の彼氏だよ。」
はっ!?
上谷君、何言ってるの!?
「…麗美、彼氏いたんだ」
高橋、彼女いるくせに、何でそんなこと言うの?
「高橋こそ、彼女いるくせに。早く学校いきなよ!」
「…あーそうかよ。麗美は、俺のことそういう風にしか見てないんだ。」
「そ、そうだよっ」
何あたし、ムキになっちゃってるんだろう。
らしくない。
「じゃあもう知らねーよ。」
と言って、高橋は行ってしまった。
怒った、よね。
「大丈夫?」
「え?」
上谷君は、あたしの頬を触った。
「目が、泣いてる。」
そう言われて、あたしは一筋の涙が流れた。
「よしよし」
ポンポン、と頭を撫でてくれる。
暖かい……。

