そう判断した店長だったが返ってきた言葉は意外なやものだった。

「桃香に・・・桃香に俺の子供がデキたんっす」

 そう言って顔を上げ店長の方に顔を向けた美月は、小さくニコッとだけして机に肘を付いて頭を抱えた。

そんな姿を見て店長は少し混乱した。

桃香に子供がデキたことで何故美月はこんなにも困惑しているのかはわからなかった。

だからといって美月にそれを訊くのは無作法だと思った。

 美月はクシャクシャになった婚姻届を広げ溜め息をこぼした。

「店長さん、もし二人の女性に子供がデキたって言われたらどうします」