「ジャンケンで決めれば」

 三人は「あぁ」と納得した。しかし負ければダンスという罰ゲームが待っており、三人はどうしようと躊躇いを見せたが、三人共に後には引かなかった。

三人が売店の前に集まり右手を出すと、おばちゃんの「最初はグー、ジャンケン、ポン」という掛け声が博多駅に鳴り響いた。

辺りは静まり返り、おばちゃんが自分の店に帰る足音だけが聞こえた。どうやら一発目で決まったみたいだ。

三人中二人は自分の出したグーの手を眺め微笑んだ。そしてもう一人はチョキを出したまま固まっていた。

通りがかった人に「あんたピースなんかして写真でも撮ってるのかい」とツッコまれていたが、何も耳に入ってはいなかった、いやもうこの時点で気を失っていた。