夏歩は言うべきか迷ったが、純一が真理子に気があることに気が付いていたため、ここはきっぱりと、と思い、真理子が妊娠していることを告げた。

 一瞬戸惑った顔を見せた純一だったが、また網かけの青いセーターを見て、何か納得したように頷いた。

「そういうことか」

 そう呟いて純一はラーメン屋へと帰って行った。