それは本当に奇跡のような瞬間でした。

魔法の素晴らしさは、よくよく感じていましたが、目に見える形で目の当たりにしたのは初めてで、ただただ驚くばかりです…

あぁ…魔法って本当にあるんだなぁと…

世の中には、まだまだ私の知らない事が、たくさんあるんですねぇ

「良かったですね、深谷君」

「はい…」

何だが目頭が熱くなりながら、私は声をかけていました。

手首のウロコが全て消えた後、ため息をついて安堵する少年の姿に、グッときてしまいました。

ずっと不安な気持ちと、戦っていたに違いありません…

「良かったね!深谷君」

生島君が自分の事のように喜んで、声をかけました。

「いや〜良かったね、深谷君。これで戸川先生に、学会に売られる心配もなくなったしね♪」

え…あれ本当だったんですか…?

山形さんがそう言うと、戸川先生が反論しました。

「やですよ〜山形さん。そんな事、本気ですると思っていたんですか〜?まぁ、一瞬頭に横切った事は、否定しませんがね〜?」