「…ビックリしました〜意外や、意外…」

戸川先生はひたいの汗をぬぐうと、後ろをふり返って一同を見た。

「…修子ちゃ〜ん…意外とかのレベルじゃないでしょ?すっごく危なかったよ?天井に激突して死んじゃうかと思ったよ?」

一番初めに正気に戻ったハルが、上半身だけ起き上がると訴えた。

二度目の体験だったにもかかわらず、やはり一瞬気を失いかけた自分が情けない…

いや基本、ジェットコースター・チックな物が苦手と言うか、何と言うか…

「ここの天井が、こんなに低いとは…深谷君、この間は、あわてていたので気づきませんでしたね〜?」

ほほほ…と口元に手を当てて、上品そうに先生は笑いながら自分に同意を求めた…

「…自分達は背が低いから、気にならなかっただけです…」

フロアの中央にポッカリと空いた二メートルの穴から、勢い良く放り出された自分達が、ギリギリ天井にぶつからずに降下して、フロアに着地したのは奇跡のように思われる…