「その通りです…この出口は故障中のようです…どうぞ皆さんは、研究所に戻って下さい…」

次の瞬間、上に動揺が走るのが分かりました。

「何言ってるんですか?…この扉、壊しますから待ってて下さい!」

山形さんが、まず最初に反応しました…他の方は言葉を失ってしまったようですね〜…

「…山形さん、早く…皆さんを連れて戻って下さい…この出口が頑丈に出来ているのは、あなたも知っているでしょう?」

「それは…」

長い沈黙が流れ…上の方々の葛藤が手に取るように、伝わってきました。

「…先生…分かりました…あなたが本当に大魔法士ルドなら、生きて戻って来れると信じています…」

「ありがとう、ユラ…」

「山形さん?!何言ってるんですか?!正気ですか?!」

生島君の思考が混乱しているのが、伝わってきました。

「…ハル君…僕はしごく正気だよ…だから、二人を置いて行く…君達は無事に連れて戻らなくちゃ…」

「山形さん…」