夕食と後片付けを終えた時、携帯電話に瑞希からメールが来た。

 明日シンヤを連れて行く事になっていたが、ひとりで来て欲しいと言う。

 瑞希は課長だ。
 何か緊急の会議とか来客とか、或いはトラブルでも発生して、時間が取れなくなったのだろう。

 用件だけで理由は書かれていなかったので、詳細は分からなかった。

 後片付けを手伝っていたシンヤは、真純がメールを見ている間に、リビングに行っていた。

 ソファに座って新聞のテレビ欄を見ていたが、真純の気配に顔を上げて尋ねる。


「テレビ見ていい?」
「いちいち断らなくていいよ」


 連絡も寄越さず家を空けたり、いくら呼んでも起きないほど、いい加減な奴かと思えば、食事の後片付けを手伝ってくれたり、テレビをつけるのも冷蔵庫を開けるのも、いちいち断るほど律儀だったり、シンヤは二面性を持っている。

 もしかして、と思って訊いてみたら、血液型はAB型だった。
 献血に行くと喜ばれるので勧めておいた。