「な、何?」 振り向くとシンヤは、真顔で見つめていた。 正面から視線がぶつかり、ドキリとする。 「改めて、キスしていい?」 まだ酔っているのだろうか。 いや、確かに二日酔いっぽいけど、意識ははっきりしていると思うが——。 何が「改めて」なのか、よく分からない。 真純は苦笑に顔を引きつらせて問い返す。 「意味、わかんないんだけど?」 「だって、覚えてないの悔しいもん。だから意識のある状態で、ちゃんとキスしたい」 どうやらキスしたと勘違いしているらしい。