酔っぱらいの戯言だと分かっていても、気が動転して思考が真っ白になり言葉が出て来ない。
「あ……その……それは……」
真純は反射的に一歩下がり、近付くシンヤを制するために片手を伸ばした。
その手首を掴まれ、逃げるに逃げられなくなる。
シンヤはもう片方の手も捕まえて、身を退こうとする真純をその場に繋ぎ止めた。
そしてゆっくり身体を倒す。
近付いて来るシンヤの顔に、真純の鼓動がピークに達した時、シンヤの頭は目の前を素通りし、捕まえた手の甲に口づけを落とした。
肩すかしを食らったようで真純が呆気にとられていると、シンヤは顔を上げ目の前で微笑んだ。
「御主人様に忠誠の証」
言葉を失う真純を見つめて、シンヤは意地悪な笑みを浮かべる。



