シンヤの過剰なスキンシップに、次第に鼓動が早くなる。
そんな真純の胸中をよそに、シンヤは耳元で囁くように言った。
「僕、絶対に真純さんを裏切らないから。だからペットじゃなくて番犬になるよ」
「人が来ても気付かずに寝てるような奴に、番犬が務まるか」
真純が吐き捨てるように言うと、シンヤは肩を揺らしてクスクス笑った。
「違うよ。僕が守るのは家じゃなくて真純さんだよ」
シンヤはようやく身体を離し、少し身を屈めて首を傾げながら、真純を正面から見つめた。
「ねぇ、キスしていい?」
「へ?」
突然の番犬志願から、なぜいきなりキス?
酔っぱらいの戯言(たわごと)にしても、あまりに脈絡がなさ過ぎる。



