するとシンヤは嬉しそうな声を上げて、真純に縋り付いてきた。
「心配かけてごめんね。でも超嬉しい」
「懐くな! おまえ酒臭いし」
抵抗して引き剥がそうとしても、長い腕がしっかりと絡みついていてビクともしない。
「真純さんはタバコ臭いよ」
「イヤなら離れたら?」
自分で引き剥がせないので、シンヤの方から離れてもらおうと、冷ややかに言い放つ。
けれどシンヤは、離れるどころか益々きつく抱きしめ、頬をすり寄せてきた。
「やだ。タバコ臭いのはイヤだけど、真純さん抱き心地いいんだもん。ほっぺも柔らかくて気持ちい−」
「だから、懐くな!」



