ため息と共に承諾した後、瑞希は懐かしそうに目を細めた。 「それにしても、シンヤくんか……。懐かしい名前だわね」 「何? 瑞希の昔の男?」 真純が尋ねると、瑞希はイタズラっぽく笑った。 「違うわよ。ハルコの初恋の彼」 「はぁ? ハルコってコンピュータの?」 真純は訝しげに眉を寄せる。 瑞希はお構いなしにクスクス笑った。 「本名かどうかは不明なんだけど、三年くらい前だったかな? チャットで知り合ったのよ」 そして瑞希は、ハルコの初恋について話してくれた。