真純はシンヤとの経緯を、瑞希に話した。
 話を聞き終わった瑞希は、眉をひそめて真純に言う。


「大丈夫なの? そんな名前も教えてくれないような奴」
「今のところ問題ないよ。朝、なかなか起きない事以外は。それで今日遅れたの」


 頬を膨らませる真純に、瑞希はクスリと笑う。


「あんた朝寝坊な奴、嫌いだもんね」
「だって、甘えてるだけじゃん。上が百を切ってる低血圧の私が起きられるのに」
「あんたの低血圧が変わってるのよ」


 変わってるわけじゃない。
 かなり努力して起きているのだ。


「ねぇ、シンヤと同居してもいい?」
「まぁ、あんたがいいなら、かまわないわよ。貴重品と、うちの書類やデータの管理はしっかりしてね」