猫が好き!



 途端にシンヤは嬉しそうな笑顔になった。


「僕のため? 感激しちゃうな−」

「別に。おまえの分はついでだから、感激しなくていい。今後も家で食べるなら食費は入れてもらうし」

「食べる食べる。いつも外食かコンビニだから、ちゃんとしたものが食べられるの嬉しい」


 自炊した方が絶対安上がりなのに、ひとり暮らしの男とはそういうものかと納得する。

 十分以内に来なければ片付けると最後通告をして、真純は階下へ引き上げた。

 朝食を終えて片付けを済ませると、真純はシンヤに掃除道具の場所を教え、急いで家を出た。

 家を出た真純は、辺奈商事へ向かう。
 入力済みの書類と、これから入力する書類を交換するためだ。

 それに、一人で住むのが寂しいなら友達と一緒に住んでも、動物を飼ってもいいと言われていたが、一応大家である瑞希にシンヤとの同居を報告する必要があるだろう。