猫が好き!



 真純はベッドを離れ、窓へ向かいながら、こっそり額を撫でる。
 自分自身もちょっと痛かった。

 カーテンを全開にして戻ってくると、シンヤはベッドの縁に座ってぼんやりしていた。
 動こうとしないシンヤに軽く苛ついて、真純は声を荒げる。


「ボーッとしないで、さっさと動く!」
「僕、朝苦手なんだよ。ゆうべ遅かったし」
「私も得意なわけじゃないよ。甘えんな。明日から七時半に起床確認が取れない場合は、朝食抜きだからね」
「七時半?! そんな早朝に起きた事ないし」


 全然、早朝ではない。
 大げさに驚くシンヤに、どういうただれた生活をしているんだと呆れる。

 今頃になって、ふと気付いたように、シンヤが尋ねた。


「あれ? そういえば朝ご飯があるの?」
「あるよ。だからさっさと食べて。片付かないから」
「真純さんが作ったの?」
「他に誰が作るの」