「うーん。早起きできるかなぁ」 「なんで? もう寝不足じゃないでしょ?」 「明日寝不足になるんだよ」 ニヤリと笑った黒シンヤは真純の手からグラスを奪い、自分のと一緒にローテーブルの上に置いた。 そして真純を腕の中に閉じ込める。 見上げた真純の頬に手を添えて、至近距離に迫ったシンヤが囁いた。 「今夜は眠らせないから。覚悟して」 一度軽く口づけた後、シンヤはもう一度囁いた。 「大好き」 再び落とされた口づけに、真純は目を閉じる。 口の中に甘いマスカットの風味が広がった。