そう言ってシンヤは、隣のパソコンにツールを立ち上げた。


「キャラクタコード?」
「十六進数のコード。コンピュータの言葉だよ」


 真純に説明しながらシンヤは、メッセージに書かれたコードをツールの画面に打ち込んでいく。

 ツールの画面は真ん中から半分に分かれていて、片方が入力エリア、もう一方が表示エリアになっている。
 シンヤがコードを打ち込むごとに、表示エリアに文字が現れた。


 I believe you  hope(あなたを信じています。 希望)


 現れたメッセージを二人で呆然と見つめる。
 最後のメッセージに添えられた日時は、停電になる直前だった。

 自分では対処できないと判断したハルコは、シンヤに全てを託して自らを停止するためにビルの電源を落としたのだ。

 真純はクスリと笑った。