「あぁっ!」


 思わず大声を上げると、電話を終えたシンヤが歩み寄ってきた。


「どうかした?」
「ごめん、シンヤ。こっちの隅にあったアイコン、なんか開いちゃった」


 画面を指さしながら、シンヤを見上げて苦笑する。
 シンヤは画面を見つめて不思議そうに首を傾げた。


「なんだろう、これ」


 真純の肩越しにシンヤは画面をのぞき込んで身を乗り出す。

 デスクトップに貼り付けてあったアイコンなのに、シンヤ本人が知らないというのも妙だ。
 怪訝に思いながら画面に視線を戻す。

 シンヤと顔を並べてのぞき込む画面には、テキストファイルが開かれていた。