ハモスがダウンすれば、ハルコは孤立する。
 そうなれば、今はハルコに掌握されている社内ネットワークもビルの電源もフリーになるので、ハルコを停止させることが可能だ。

 いい作戦のように思えるが、真純には引っかかることがあった。


「ハモスって外部からの命令を受け付けなくなってるんじゃなかったっけ? どうやってデータを受け取ってもらうの?」


 眉をひそめる真純に、シンヤはイタズラっぽく笑いながら事も無げに言う。


「それは表玄関の事。裏口は開いてるよ」
「へ? いつの間に?」
「僕、ハルコに侵入した事あるじゃん」


 そういえば、シンヤがここに転がり込んできた翌日、真純のマシンを利用してハルコに侵入していた。
 ちゃっかり置き土産をしていたわけだ。

 真純はため息と共に尋ねる。