「それより、ゆうべの詳細を聞かせてちょうだい」
「あ、はい」


 シンヤは返事をしながら伺うように、チラリと真純に視線を向けた。

 ハッキングの経緯などを話すのだろう。
 自分がいては話し辛いのかもしれない。

 そう思った真純は席を立った。


「私、先に帰るね」


 瑞希が意外そうに見上げた。


「あら、一緒に帰ればいいのに」
「うん。でも難しい話、私が聞いてても分からないし。仕事もあるし」
「そう。多分もう停電はないと思うけど、気をつけてね」


 真純は頷いて応接室を出た。