改めて挨拶を交わし、二人でリビングへ向かう。

 真純には余計な心配をさせてはいけないからと、課長が事情を説明してくれると言っていた。
 それで進弥が変な時間に帰ってきても、平然としているのだろう。

 リビングのソファに座り、どうやって探りを入れるか考えていると、真純がコーヒーを持ってきてくれた。
 隣に座った真純が尋ねる。


「おまえの偽者が出たんだって?」
「らしいね」
「どうやって調べるの?」
「考え中。だけど、課長からは、場合によっては手段は問わないって言われてるよ」
「え、それって……」


 真純の瞳が不安そうに揺れた。


「ハッキングもOKって事」


 課長は何かあったら、自分が全責任を負うと言った。