「真純さんの気持ちは信じてるし、オレって心が狭いなって思うけど、気に入らないんだよ。あんな笑顔が僕以外の男に向けられるのは。真純さんが自宅勤務でよかったって心底思った。会社に通ってたら、毎日こんな思いしなきゃならないなんて、それこそ気が変になりそう」
ふてくされたように口をとがらせるシンヤが、なんだかかわいい。
真純はソファの上に上がり、ひざ立ちになって、横からシンヤの頭を抱きかかえた。
「大丈夫だよ。いくら楽しそうに話をしても、他の奴なんて眼中にないから」
シンヤは真純の腰にそっと腕を回し、身体を引き寄せる。
「真純さん。たまにそういう事して、僕を煽るのはやめてくれる?」
煽っているつもりはなかった。
安心させたかっただけだ。
それに”真純さん”だし”僕”だったから油断した。
真純が気付いた時には、ソファに押し倒され、シンヤにのしかかられていた。



