「どうしたの? 具合でも悪いの?」
首を傾げながら、真純はシンヤを見上げる。
するとシンヤは、持っていた荷物をポトリとその場に落とし、いきなり真純を抱きしめた。
いきなり抱きしめられるのはいつもの事だが、今日は様子が違う。
痛いほどに強く抱きしめられ、足が宙に浮いたところを壁に押しつけられた。
そして真純が抗議の声を発する前に、シンヤは自らの唇で口を塞いだ。
唐突なキスもいつもの事だが、あまりにも唐突で激しすぎて、真純の頭は混乱する。
掴まれた肩が痛い。
なんだか怒っているようにも思えるが、何を怒っているのか見当もつかない。
息苦しくて、わけが分からなくて、真純はシンヤの胸を拳で叩いた。
シンヤがハッとしたように唇を離した。
「なんなの。いったい」



