「いやいやいや、嫌われてるのはオレの方でしょ? 須藤さん、ひどく怒ってたし。そのまま自宅勤務になっちゃって、飲み会にも全然来なくなったし。敵どころか仕事頼めなくなって残念に思ってるんですよ。だって須藤さんって、仕事早いし正確だし」
今度は真純の方が目を丸くした。
高木は真純の仕事を軽く見ていると思っていた。
だから、いくら注意されても遅刻癖が直らないのだと。
仕事の出来を高評価されている事が意外だった。
そしてそれは多分本当の事なのだろうと思い至る。
自宅勤務にしてもらった時、瑞希が「高木くんが残念がるわよ」と意味不明な事を言っていたのだ。
当時は本当に意味不明だった。
高木に残念がられる要素は何もない、と思っていたからだ。
高木は飄々として調子のいい奴だが、案外仕事の出来る奴だと真純も認めていた。
そうでなければ、瑞希がチームリーダーという責任のある仕事を任せたりはしないだろう。
システム開発の仕事について真純はよく分からないが、高木が真純に与える指示は、簡潔で的確で分かりやすかった。
ただ遅刻癖だけが、どうしても腹に据えかねたのだ。



