真純は自分に自信が持てないから、進弥の気持ちを信じ切れずにいたのだろう。


—— 本当に愛されているのだろうか ——


 真純も同じ不安を抱えていたのだ。

 ほんの少しケンカして、進弥が家を飛び出しただけで泣いてしまうほどに。

 自分が真純の中で、それほど大きな存在である事に気付き、進弥は舞い上がりそうなほど嬉しくなった。


「真純さんは、いい女だよ。年下だからって僕の事を甘やかしたりしないし、だけどちゃんと気遣ってくれるし。素直じゃないのは、猫だから仕方ないよね。それでも僕、猫が好きだから」


 真純が布団の端を少し浮かせた。
 進弥の様子を探っているようだ。
 そんな姿が益々猫っぽくて、進弥はクスリと笑った。

 途端に真純は、布団の端を閉じる。
 進弥は布団の上から、真純の身体を揺すった。