小柄で丸顔の彼女は、確かに随分若く見える。 彼女はそれを不愉快に思っているのだろう。 進弥はクスリと笑うと、指摘する。 「そうじゃなくて、時間。もう自動販売機は停止してるよ」 彼女は驚いたように目を見張る。 「え? 今何時?」 「もうすぐ十二時」 進弥が腕時計を見て答えると、彼女はガックリと肩を落とした。 「しまったー。夕方から昼寝してたから時間が分からなくなってた」 (それは昼寝とは言わないんじゃ……) 進弥は思わず苦笑する。