記念すべきと言うからには、もう少しシチュエーションを考えてくれても、と変に冷静に考えている間に、シンヤの顔が近付いて来た。
「だって、一晩中生殺しな目に遭って、オレもう我慢限界。ごめん。手加減無理かも」
「えぇ?!」
ウソつき! と言う前に唇を塞がれた。
いきなり激しく深く口づけられ、真純の身体は次第に熱を帯びていく。
おまけにシンヤの温もりと重みは、なんだか心地よかった。
酸欠と熱で意識がぼんやりとし始め、真純の身体から力が抜けていくと、肩を掴んでいたシンヤの手がパジャマのボタンにかかった。
その時、枕元の目覚まし時計が、けたたましいアラームを鳴り響かせた。
シンヤは唇を離し、ピタリと動きを止める。
真純は荒い息を吐きながら、鳴り続けるアラームをぼんやりと聴いていた。
「あーっ、もう!」



