捨てられた子犬のように、縋るような目で見つめられ、真純はあっさり陥落する。 「別に……拾ってもいいけど……」 シンヤは満面の笑顔で、軽く拳を握った。 「やったっ!」 シンヤは笑顔のままジーンズのポケットに手を突っ込み、何かを探り始めた。 そして——。 「今度はちゃんと用意してきたから、いつでもOKだよ」 そう言って、探り出した避妊具を、水戸黄門の印籠よろしく、真純の目の前に突き出した。 フェアリー候補の真純は、それの実物を目にするのは初めてだった。