「呼ばれたので」
「は?」
"呼ばれた"?
まだ怠い体、思考が回らない。
ゼノンは柔らかく笑う。
「おや、私を呼びませんでしたか」
「!呼んでません」
「怪しいですね」
「それより質問に答えて下さい」
一瞬どきりとしてしまった。ノーリッシュブルグにきて彼のことを過ぎった自分がいたのは確かにだったからだ。まさか、と私はすぐに切り捨てたが。
今、あまり良い状況でないことくらいわかっている。聖都も物騒なのだ。だからこそ、彼が何故ここにきたのか。
「――――心配だったから」
カーテンを開ける彼は、呟くように言う。私の怒りもまた沈んでいく。病み上がりですぐこちらに来るなんて。馬鹿じゃないのか。馬鹿です、ゼノンはいう。馬鹿なんですと。
――――本当に馬鹿だ。
怒る気持ちも失せた私は溜息。起きなくては。というか、ラッセル達は!?
ゼノンは私の考えていることがわかったかのように口を開いた。


