とある神官の話



 リリエフの言葉が思い出される。傷だらけ。愛されたい。ああそうだ。貴方に言われなくても、わかっている。
 ―――――平凡に過ごしたい。




「……最悪」





 見れば天井。

 最悪。あの状況で倒れるか普通。遠くでアゼルの声が「よく頑張った」とか言っていたのは覚えている。



「――――って」



 は?
 ベッドから体を起こしてすぐ異変。ベッドに体を預ける一人。幻覚?私は目を擦る。落ち着けシエナ・フィンデル!

 落ち着かせても現実は変わらない。

 それは銀色だ。ベッドを少しかりるようにふせっていて、少し顔が見える。白い肌。何故。何故貴方が―――――。
 私は深呼吸をした。




「起きなさい!ゼノン・エルドレイス神官!」

「………ん」

「起ーきーなーさーい」




 身じろぎ、男は顔をあげた。やや寝ぼけたような顔がへにゃり、と笑い顔となり「おはようございます」と言う。それにうっかり私も返してしまい沈黙。

 何故ノーリッシュブルグにゼノンがいるんだ?風邪はどうした。
 顔色は良いし、体を起こしたゼノンは軽く背伸びまでしていた「貴方、どうして」