とある神官の話



 少し時間をおき、耐え切れず上着を脱ぐ。見れば女の子の服装は頼りない。

 私の上着をかけてやると、「ありがとう」と返ってくる。




「貴方、どうしてここに?」

「わからない……」

「わからない?」

「店を出たら、こうなって」




 店?

 聞けば彼女は、夜の仕事……娼館で働いているらしい。童顔での美人はきっと人気なんだろうな。じゃなくて。

 初めて人に会った。
 しかも民間人。保護しなければならない。貴方は?と聞かれて「神官です」と。私の傍から離れないように。そう言えば、怯えた目のまま頷く。

 これはまずいことになった。
 やたらむやみに歩き回るより、探してもらったほうがいいのか。



 どうすればよいのか。




「あ、あの」




 そう声をかけられ、我に返る。女の子――――女性といったほうがいいか。その女性は怖ず怖ずと口を「少し前」と開いた。