とある神官の話





 "いつかくる選択を 躊躇うことなかれ"


 不意に思い出した言葉、ヒューズの墓に行ったときに、先客から言われた意味深な言葉。
 不吉に思えたが今は進むしかない。私は気を引き締めた。





  * * *





「あの腐ったれ外道が……」




 "あいつ"がいるということで、訪れてみれば。残っていた神官が「ゆ、行方不明なのです」と尻窄まり。誰だこいつという他に名乗ってからというものの、どうも頼りなさすぎる。

 聖都に戻らなくて正解。ミスラに会おうと思ったら問題がわんさか。ふざけるな。"どうせふらついているならいってこい"と言うミスラの幻覚が見えた。一度死ねあいつ。ミスラは聖都にいるからまだいいが、問題は「リリエフか」




「あの阿婆擦れめ。何を考えている」




 髪の毛をかきあげ、つい先程聖都から届いた古びた手記を眺める。読める部分とそうでない部分。ハイネン宛てらしい。その本人がいないのだからどうしようもないではないか。
 私が預かる、と懐に押し込む。