とある神官の話




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 半ば押し付けた状態で出てきたその者は、深くフードを被っていた。供に選んだ神官が「どうか御召しものはこれをっ」というので、仕方なく白を。しかもかなり上等なものである。

 聞いていた場所を尋ねると、ああ、と思う。相変わらずだなと「おーい」



「なっ」

「よ、息子」



 こいつ顔はいいんだよな、と俺は思う。ベッドから体を起こして「何故」と言うのは、ゼノンだった。風邪をひいたというのは本当だったらしい。

 そういや昔から、風邪引いても平気でうろうろしていたか。思い出すと笑える。




「おい。急に起きるな。寝とけ」

「貴方という人は……。自分の立場をわかってるのか」

「わかってるさ。だがな」




 人づてでゼノンが風邪引いたと聞いた。まああいつも風邪ひくよな、と思ったのだが、はてと思った。最近はシエナとかいう女子にお熱だとか聞いていたし、しかも孤児院に通ってるとか。

 "あの"ゼノンが。

 拾って。いや、拾うという言い方もあれだが、それから思うと大きくなったものだ。幼い頃からやたら顔が綺麗なやつだと思っていたら、あれまとびっくり。男前になりやがって。
 頭を乱暴に撫でてやれば、「ちょっと」と抗議の声を上げたが、されるがままだった。どうやらそんな元気もないらしい。