とある神官の話






 ―――――ならお前が変えなさい。
 ――――俺が?






「そういえば、ハイネンさんが戻ってきますよ」

「……まじかよ」





 ヨウカハイネン・シュトルハウゼン。無駄に噛みそうな名前を持つ男。見た目は青年のくせに、エドゥアールやエドガーより年上。
 行方不明云々言われていた男が戻ってくる。昔からの知り合いで、エドゥアールから見れば兄のような存在の男とも言えた。―――本当に兄なら苦労するだろうが。

 久しぶりに会うのは楽しみと言えば楽しみなのかも知れない。だが、とエドゥアールは溜息。





「やれやれ」

「とかいって、楽しみなくせに」




 エドガーにそう言われて、苦笑を浮かべたエドゥアールは再び書類へと向き合った。




  * * *