「今日も晴れだなんてっ!包帯今ないんですからほらほらほら、チャッチャと戻りますよ!」
「お前なあ……」
「連続直射日光はだめ、絶対」
「話を聞けお前は!」
ランジットに耳元で怒鳴られた神官が非常に迷惑そうな顔をしていた。前には一人爆走し、ときたま「ほら早く」と急かす変人。
何はともあれ、終わったらしい。安堵。安心したら急に眠くなった。私ものろのろとついて行く。
聖都に帰れる。
そう思いながら。
* * *
「あーうぜえな」
「猊下。本音がだだもれですよ」
机に書類が置かれている。中央から見事にやる前と後の書類に分けられているのだが、本人はやる気がないようである。一時間前からさほど変わらない気がする。エドガー・ジャンネスは呼び出されて今に至る。
略装をした教皇、エドゥアール二世は片肘をたてていた。昼下がり。秋は深まるばかりで、そろそろ暖房の季節かとジャンネスは窓を見た。


