フワリ… そのとき淡い光があたし達の周りを掠めるように飛んでいった。 一匹のホタルが抱き合うあたし達の周りをゆっくりと飛び回り、やがてあたし達が歩いてきた方向へと消えていったのを二人で見つめる。 「あれは…お父さんだったのかな。」 龍也先輩にもわかったのだと思う。 あたし達はホタルの消えた方向を見つめたまま互いを支えあうようにずっと抱き合っていた。 「パパ…あたしきっと幸せになるから。」 「聖良をきっと幸せにします。」 二人の声が同時に重なって思わず顔を見合わせて笑みがこぼれた。