「…もういいですか?」


あ、忘れてたよ
旭と亜衣ちゃんのこと


「ごめんごめん。瑠璃が可愛すぎて見失ってた」


悪気はないんだよ?
俺、瑠璃のことになると周りが見えなくなるんだよね


「じゃ、行くか?」

「おう!」


旭の掛け声で俺達は花火大会の会場に向かった

瑠璃と亜衣ちゃんが並んで歩く後ろから、俺と旭が並んで付いていく

前の2人はきゃっきゃっと楽しそうに会話をしている


「亜衣ちゃん…浴衣似合うな?」

「…う、うん。本気でちょっと色気が…」


照れるような仕草の旭
そんな親友を応援したい気持ちになる


「…諦めないで頑張ったら?…亜衣ちゃんって美人だし、早くしないとまた持ってかれるよ?」

「…そうだよな。…うん、俺頑張ってみるよ」


旭が、止まった時計を動かす決意をしたようだ

頑張れ旭、俺は旭の味方だ!