背中を合わせて【完】

公園にいた女はこの女だと確信した。


音楽を聞いていたためか、自分の世界に入っていたためか、女は圭の存在には気づかない。


そしてそれを見た圭も、その女には声をかけなかった。


本当は声をかけられなかっただけ。


歩いていたはずの圭の足はその場で止まったままだったから。



不覚にも一瞬きれいだと思ってしまった自分に驚いて。


不覚にも一瞬きれいだと思ってしまった自分への罪悪感で。


圭はそのままUターンして彼女のマンションへと走っていった。