武田さんは自分の上着を私の肩にかけてくれた。

二人で生徒会室へ戻った。

原さんはいなかった。

私を椅子に座らせて、私の前にしゃがんだ武田さんは、

私を見上げて、私の目をじっと見つめた。

「桃、悪かった。釘を抜いておくべきだった。気づいてやれなくて済まなかった。」

「い、いいえ、私の不注意でしたから、武田さんに謝ってもらわなくても。

私、大丈夫ですから。」

「いや、ブラウスを弁償したい。それからクラブのミス伊藤に断って、

今日の部活は休ませてもらおう。その後、君を家まで送って行く。いいね?」

「はい、ありがとうございます。」