武田さんは南校舎の1階にある保健室へ私を運んでくれた。

保健医の堺先生はテキパキと手当てした。

つい立ての向こうに武田さんを待たせて。

「桃ちゃん、縫うほどじゃないから大丈夫よ。傷は浅い方よ。」

「先生、ありがとうございました。」

「ちょっと、武田くん、こっちへ来て。」

「はい。」

「彼女、傷跡は残らないと思うから、あなたも必要以上に責任を感じないこと。

わかった?」

「はい、ありがとうございました。」

「よろしい!じゃ、二人とも戻っていいわよ。」

私は武田さんと保健室を出た。