冬休みは初日からゼミが入っている武田さんは、

受験のラストスパートなのになぜか余裕っぽかった。

毎朝ゼミに行く前、駅で私と会ってくれた。

一日ゼミに詰め、夕方帰る頃、私はまた駅で彼を待った。

駅前で立ち話しをするほんの数分が私にとって最高の時だった。

翌朝も会う約束をして帰るのが冬休みの日課になった。

クリスマスもお正月も何もなくても、

私は毎日必ず彼に会えることで心が満たされた。

短い時間だったから余計大切に思えた。