「原さん、ありがとう。でもまだ今は無理なの。

どうしても武田さんのことばかり考えてしまって、

さっきも沈んでいたところだったの。」

「わかった。正直に言ってくれてよかった。

俺ならフリーだ。いつでも好きになってくれていいからさ。」

「くす、原さん、私ね、原さんのそういうところが好き。

だって、気持ちを軽くしてくれるそういう言葉に弱いもん。

原さん、ありがとう。」

私はめいっぱい背伸びして、原さんのあごにキスした。

「キャッ!」

彼が私を抱き締めるから、力を抜いて彼の胸にすがった。

「原さん、私、今だけ、今だけ、甘えてもいい?」

「いいよ、俺でよければ。」

「私、私、どうしても、ふぇっ。」

原さんの腕の中で武田さんを想った。

叶わない恋がつらくて泣いた。

今まで我慢してきた涙が止まらなかった。