食欲がなくて、朝食を食べず

ボーっと窓辺に座り込み、

軽くため息をつくと

後ろからパシッと頭を叩かれた。




「ため息をつくんじゃないよ!」

「いっ……」




叩かれた頭を押さえながら振り返ると、

そこには朝霧花魁(アサギリオイラン)がいた。




「ったく…朝からなぁに湿気たツラしてんだい」





朝霧花魁…



私が此処に売られて

すぐに禿として側に付けられた。


私が花魁候補だかららしいが。




朝霧花魁は、花魁なだけあって、

とても美しく…………強かだ。






私の隣に座り込み、

煙管を一息吹かせる朝霧花魁。