その夜から 頭の中から彼の顔が忘れられない なんと優しいお方だろう……… 一之助様はまた来てくれるんだろうか… もし来てくれたのなら、 私はどんなお話をしようか… そう思ってしまう。 優しい優しい声が、 他の男とは違い、ちゃんと私を 一人の人間として扱ってくれる彼が、 愛しいと思った。 遊女が恋をした…なんて話、 私には無縁だと思っていたけれど… 「……………」 一之助様は、 “いい人”