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「………んっ……?」
体の感覚が自分に戻ってくるのを感じる。
なんだか、体が重い……
ゆっくりと体を起こし、周りを見渡す。
そこは……
「ドル・デイーチェの大樹!?」
そこはあの夢で見たドル・デイーチェの大樹の前だった。
しかし、そこにいるのは私だけで、エルシスやハミュルの姿がない。
「……エル…シス……?」
急に不安になってくる。
エルシスはどこに行っちゃったんだろう…
立ち上がり大樹に近づこうとした時……
《……こんにちは、他世界の管理者さん…》
「……えっ………?」
突然、鈴の音のような声が聞こえた。
《はじめまして、私は白木 音羽(シラキ オトハ)。あなたと同じ世界から来た、妖精の本を愛した人間よ》
「…妖精の……本…。あなたもフェルの!?」
《フェル?私は別の妖精だったわね、そう…他にも妖精がいるのね》
まさか、音羽さんも同じ世界の人だったなんて…
《あなたは…えと……》
「浅夏 鈴奈です!」
《鈴奈さん、あなたの世界は素敵なところね…》
「え、来たことがあるんですか!?」
他の世界に行き来ができるってこと!?
知らなかったー!
私にも出来るのかな?
《あら、あなたは管理者ではないの?》
「管理者………ですか?」
なんのこと!?
そういえばさっき、音羽さん私の事世界の管理者って言ってたな…
《そう、あなたはまだ管理者ではないのね。でも…候補者ではある。鈴奈さん、管理者は本の世界の時、空間を管理し、守る者の事よ。あなたもきっと、何かを守ってい?のでしょう。私も…そうだから……》
あ………
音羽さんはここで、この世界がまた目覚めるのを願ってる。
自分を犠牲にして……
「音羽さんは……後悔…してませんか…?」
大好きな人が生きる世界は守れても、ともに生きることは出来ない。
それなのに…後悔しないのかな……
《私…後悔はしてないの。生きていてほしいの、幸せになってほしい…。あの人を愛してるから…》
「音羽さん………」
でも、ハミュルは?
ハミュルの気持ちはどうなっちゃうんだろう。
愛してる人が、自分の犠牲にしなって生きながらえても、嬉しくないと思う。
すごく……悲しい……
「ハミュルが…悲しむよ…」
《そう……ね……。あの人、すごく寂しがりやだから…》
音羽さんは寂しげに笑った。


