巫女と王子と精霊の本




「あ……今のは……」


ハミュルの驚くような声に私も現実に戻る。
今のは…ハミュルの記憶?


「なんだ、今のは。頭に何かが流れ込んできた」



エルシスもハミュルも見たんだ。
どうやら私達は同じものをみたらしい。



「これは、私と音羽の記憶だ。彼女は…私にとって大切な…人…」



ハミュルは困惑したように眉間を抑えた。



「ハミュル、大丈夫?」



私はハミュルの背中をさすった。
ハミュル、なんだか苦しそうだ……



「ありがとう、鈴奈。私は大丈夫だよ。むしろ嬉しいんだ、愛しい記憶を取り戻せたことが…」




ハミュルは泣きそうな笑みで私を安心させるように笑う。