巫女と王子と精霊の本




『やっぱりダメなのか…』


ハミュルが落胆したその瞬間ー…


《…見つけた…》



美しい鈴のような声が聞こえた。





「えっ…今の声……はっ!!?」


―ビュォォォォッ!!!!


だがすぐに物凄い突風に声がかき消される。


な、ななな何が起きてるの!?
風に飛ばされないよう私達はつないだ手に力を込めた。



「くそっ!!離すなよ!!」



エルシスが叫ぶ。
すぐにつないだ手のことだとわかった。


『な、何だあれは!!』



今度はハミュルが驚きの声を上げる。
ハミュルの視線の先には………



「ひ、ひゃぁぁあっ!!」



まるでブラックホールのようなものが私達を引きずり込もうとする。
おもわず悲鳴を上げてしまった。




「く、そ…!!」




エルシスもふんばってはいるが、体はズルズルと引きずられ、ついに……





「うわぁぁぁぁぁっ!!!」

「くっ!!」

『うわぁぁっ!!?』



ブラックホールの中へと落ちてしまった。




《やっと……見つけた…。やっと…》



落ちる瞬間、またあの声が聞こえた気がした。




見つけたって何を……?
そんな私の疑問も虚しく、体はブラックホールに吸い込まれていった。